四回生
大屋 有佳子 
初段   
清風南海
薬・薬
オオヤマン、人は彼女を呼称する際、敬意を込めてそう称する。 彼女の遺伝子上にある特別なタンパク配列が存在している。 そう、かの有名な「クソ配列」である。 この配列は、飲み会で面倒臭い、活舌が悪い、合宿リーグでは常に上位にくい込む、その割に剣道形はリーグ最下位、などの症例が確認され ているが、その表現系は多様である。カゴメの最終兵器、京都の淑女、虎武士出生のアル中など、日本でも数名の遺伝子中に発見されてい る。 この配列を持つ個体は、例外無く阪大剣道部「クソ班」の道を歩むという事が知られている。 彼女も例外では無かった。 運命に従い、彼女は阪大剣道部クソ班ですくすくと剣道、クソ道を突き進んで行く。 しかし、2回生を迎えたある日彼女は胸に秘めていた思いを先輩にぶつける。 「右近先輩!私、クソの力を海外で試してみたい!!!」 その後彼女は竹刀を置き、幾千の国でクソ道の修行を行っていたようだが、それを知る者はいない。 気がついた時、彼女は竹刀をまた握っていた。 「クソの道と剣の道、二つは同じ道に通じている」 数多の修行を終えた彼女が到達した答えである。 そんな彼女は今、ブラックな薬学部研究生活に備え、パワーを貯めている途中である。頑張れ、オオヤマン!